2012年4月23日月曜日
「社会保険労務士会が会員に退会を勧奨する際の基準です」・・・などという発想はそもそもありません・・・
涼子 さん、コメントありがとうございます・・・
>教えていただいきたいことがあります。
>社会保険労務士会が会員に退会を勧奨する際の基準です。
答えは「ありません」です・・・
・・・が、納得しないでしょうから詳しくこたえるにはあまり時間が無いので大雑把にお答えすると、会員の身分の変動については社労士会の歴史的な流れの中で理解をしておかないと誤解を生じかねない、ということだと思います・・・
例えば「勝ち取ってきた権利を、どんな理由があれそうやすやすと放棄するようなことは歴史に逆行するものだ、例えどんな極悪人であったとしてだ・・・」・・・という意見に代表されるように・・・
その前に、
>社会保険労務士会が会員に退会を勧奨する際の基準です。
という件ですが、そもそも「退会を勧奨する」という発想はありません・・・
各都道府県の会則は『都道府県社会保険労務士会会則準則』に準じて制定していると思います・・・・
その会則は各都道府県の労働局長の認可を受けなくてはなりません・・・
恐らく他府県と比べて「異常」と思われるような会則の変更などはかなり苦難が伴うものと思われます・・・・
その準則の中には処分の種類としては
(1)勧告
(2)会員権の停止
の二つしかありません・・・
どれだけ極悪非道なことをしても勧告もしくは会員権の停止しかできないのです・・・
それでは退会させられないのか、というと『登録即入会』制度がある限り、登録抹消の手順を踏まない限りできないのであります・・・
この『登録』も社労士の歴史の中では「勝ち取ってきたのだ」という発想があるのです・・・
実は、社会保険労務士の歴史は紛争の歴史でもあるのです・・・すなわち会員というか構成員というか社会保険やら労務管理の専門家を自称する人々によって延々延々延々とすったもんだが続いたというのです・・・ただ最近の若い人には伝わっていないだけで・・・
そんな歴史のなかでは「退会を勧奨する」どころか、集団で丸ごと切り捨てようとした大騒ぎがあちこちで起こっていたようです・・・
それらの歴史的な流れの中で獲得した登録即入会制度ですが、社労士会を退会するということは登録も同時に抹消されるわけであります、すなわち他の会員の「退会」を主張するのであれば、「登録」についても言及しなければなりません・・・
おおかたのひとはこの辺でめんどくさくなってやめてしまいます・・・「好きなようにしたら」と・・・
しかし、「退会」を考えるのであれば「登録」についてそもそも論を展開しておかなければなりません・・・
それで、少し長くなりますが「社会保険労務士制度三十周年の歩み」から登録に関して記載されている部分を載せておきます・・・・
繰り返しますが、「退会させられるか」という質問の答えは「登録を抹消させられるか」という質問の答えと同じなのであります・・・・
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第三章連合会の設立とその事業
第二節 登録
迅速・的確な処理
免許制から登録制への移行がきまった昭和五十六年の第二次改正法の公布とともに、連合会は登録業務の内容と諸作業の検討に入り、法施行前に、①政省令の内容について両省との意見調整、②会則変更の検討、③登録事項の管理方式(コンピューター導入など)、④登録制の広報、⑤登録事務取扱規程の制定、⑥諸様式、登録証などの作成、⑦ブロック別事務担当者会議の開催などのスケジュールを決定、八月七日の運営企画委員会で諸作業の日程をつぎのとおり決定した。
①主務官庁の政省令原案作成作業と併行して、連合会会則・社会保険労務士会会則準則案、登録事務取扱規程案などをとりまとめる、②政省令・関係通達が出された時点で理事会を開き、①の原案を決定する、③十二月にブロック別事務局長会議を開き政省令、社会保険労務士会会則準則、登録事務取扱規程の周知徹底をはかる、④五十七年一月には諸様式の印刷など具体的作業を開始する、⑤二月九日理事会で五十七年度事業計画・予算案・報酬基準案などを審議決定し翌十日の臨時総会で連合会会則の改正変更を行う、⑥この後各社会保険労務士会も臨時総会を開き、会則変更を行う、⑦三月に再び事務局長会議を開き、切替え登録、新規登録の事務処理方法について具体的な指示をする。
十一月二十七日、連合会は理事会・常任理事会合同会議を開き、連合会会則改正・社会保険労務士会会則準則、社会保険労務士登録事務取扱規程など法改正に伴う諸規定の改正案を決定した。登録事務取扱規程は改正法・政省令・連合会会則に基づき、各手続の詳細を定めたもので、登録申請、社会保険労務士名簿など二八様式を定めた。十二月には、五十七年四月からはじまる登録事務に対処するため、連合会に登録課を新設、準備事務に精力的に取組むこととなった。
社会保険労務士の登録に関する必要事項は連合会会則第四章、社会保険労務士登録事務取扱規程、都道府県社会保険労務士会会則準則第五章、入退会事務取扱規程などで規定された。
改正法による社会保険労務士の資格と欠格事由の要点はおよそつぎのとおりとなった。
〈資格と欠格事由〉
1社会保険労務士となる資格
これまで社会保険労務士となる資格については、①試験に合格した者、②試験の全部を免除された者、③弁護士の資格を有する者のいずれかに該当するものとされていたが、第二次改正で①および②の該当者に対しては、新たに労働社会保険諸法令に関する実務経験が二年以上あることが条件とされることになった。
その理由は社会保険労務士業務がますます複雑多岐となり、その職責も重くなったので、ある程度の実務経験を課さなければ、業務の円滑な処理が期待できないと考えられたからである。いかなる職歴が実務経験とみられるかは省令で別途定められた。
また、必要とされる二年間は試験合格時の前後を問わないこととした。また、すべての者に二年間の実務経験を必須条件とすることは、実情に即しない面もあるので「主務大臣がこれと同等以上の経験を有すると認める者」については有資格者として取扱うことになった。
なお、施行の際、現に旧法第三条による社会保険労務士の資格を有する者は、新法第三条に規定する社会保険労務士の資格を有する者とみなす経過措置がとられた。従って旧法第三条の各号の一に該当する者で、未だ免許の申請を行っていない者は、実務経験がなくても登録を受けることができるとされた。
2欠格事由
旧法第五条の免許の欠格事由が一部修正され、復権に要する期間が三年に延長されたほかその範囲が拡大され、①破産者で復権を得ない者、②懲戒処分により社会保険労務士の失格処分を受けた者、③社会保険労務士の登録を取り消された者、④公務員で懲戒免職の処分を受けた者、⑤懲戒処分により弁護士会から除名され、公認会計士もしくは会計士補の登録のまつ消処分を受け、税理士の業務を禁止されまたは、行政書士の業務を禁止された者、が新たに加えられた。これら欠格事由の一に該当する者は、たとえ試験に合格し、必要な実務経験を満たしていても、社会保険労務士となる資格を有しないため登録を受けることができないこととなった。また、登録後、この一に該当することとなった場合には、その登録はまつ消され社会保険労務士の資格を喪失する。処分を受けた日もしくは刑の執行を終った日から三年を経過した後に、復権されることとし、これらの新たに加えられた欠格事由については、法施行日以前の処分に対し新法の規定は適用されない経過措置がとられた。
〈登録〉
社会保険労務士となる資格を有する者が社会保険労務士となるためには、連合会に備える社会保険労務士名簿に必要な事項について登録を行わなければならないことになった。
必要な事項とは、氏名、生年月日、住所その他主務省令で定めるものとし、開業者の場合には、このほか事務所の名称、所在地などについて登録を受けることになり、氏名、住所の変更、新規開業の場合には変更登録を行わなければならないこととされた。
1登録の申請と決定
登録の申請は、登録申請書に必要な書類を添付して、社会保険労務士会を経由して連合会に提出される。連合会では、申請者が社会保険労務士となる資格を有し、登録拒否事由に該当しないと認めた場合には、遅滞なく社会保険労務士名簿に登録を行うとともに、その旨官報に公告し、申請者に社会保険労務士証票を交付する。
2登録の拒否、取消し、まつ消
申請者が社会保険労務士の資格を有せず、登録拒否事由(①懲戒処分により、弁護士、公認会計士、会計士補、税理士、行政書士の業務を停止され処分中の者、②心身の故障により社会保険労務士の業務を行うことができない者、③社会保険労務士の信用又は品位を害するおそれがある者、その他社会保険労務士の職責に照らし適格性を欠く者)の一に該当する者と認められる場合には登録を拒否するとともに、その理由を申請者に通知することとした。
この場合には、資格審査会が開かれ、当該申請者に弁明の機会が与えられる。また登録拒否の処分が行われた後、これに不服があるときは、主務大臣に対して行政不服審査法に基づく審査請求をすることができる。
すでに登録を行った者が登録を受ける資格に関する重要事項について、告知しなかったり不実の告知を行っていたことが判明した場合には、本人の意思にかかわらず登録が取り消される。
この場合も資格審査の議を経ることが必要であり、また、この処分に不服のある者は、主務大臣に対し行政不服審査法に基づく審査請求を行うことができる。
また、登録まつ消の申請が行われたときや死亡したとき(法定代理人もしくは相続人に届け出が義務づけられている)、および第五条の欠格事由(第一号は除く。)の一に該当することになったときには、登録はまつ消される。
登録のまつ消は、登録時と同様、官報に公告されることになっている。また、まつ消に伴い、登録時に受けた社会保険労務士証票は遅滞なく返還しなければならない。
3登録切替えに伴う経過措置
免許制から登録制に切り替えることに伴い、附則で経過措置が定められ、現在すでに社労士の免許を受けている者はすべて新法の労務士とみなされることになった。
ただし、その期間は施行日から一年間で、この一年以内に所定の登録を行わなければならない。この手続を怠ると、みなされた登録はその効力を失い、社労士としての活動を行うためには改めて登録料を支払って登録を行わなければならない。
なお、旧法による社労士会の会員である開業社労士は、附則第九条の規定により新法による社労士会の会員である開業社労士とみなされる。したがって、現に社労士会の会員である開業社労士は、新法によって会員社労士に限って認められる機能を新法施行と同時に享受できるが、非会員の開業社労士は新法施行から一年後には開業社労士としての活動ができないことになった。
また、一年間のみなし期間内に、社労士会の会員たる開業社労士は、事務所の名称、所在地など必要な事項を記載した書面を連合会に提出しなければならないことになっており、この手続を怠ると会員開業社労士たる地位を失うことになる。:以上は岸良明「政正社会保険労務士法のポイント」(月刊社会保険労務士)昭和五十六年六月号所載による:
改正法による登録制は昭和五十七年四月一日にスタートした。移行登録申請は四月十日現在で約五千件に達し、有資格者の関心の深さがうかがえたが、三月三十一日現在の免許取得者数は六五、一九四人であった。
登録制度へ移行してからの登録申請者数は五月四日現在で五、四七七件に達した。
六月十七日開かれた連合会の五十七年度通常総会では「登録事務の迅速・的確な処理」が事業計画の主柱にあげられた。
八月上旬までの登録申請者は一三、九九九人、そのうち四六人が新規登録で、社労士名簿の登録完了者は九、六六七人となり、五回にわたって官報公告を行った。
登録制開始後約六カ月(九月二十日現在)には移行登録申請者は一六、○三○人、免許取得者に対する割合は二四%・新規登録者数は同日現在七八人であった。移行登録期限満了日の昭和五十八年三月三十一日現在における登録状況は登録者三六、五六七人(新規登録者九二一人)で、うち開業者は一○、一九六人(同一四二人)、非開業者二六、三七一人(同七七九人)となった。
なお、改正社会保険労務士法第二十五条の十六に規定する、登録の申請に対する登録の拒否または登録の取消しの審査機関である資格審査会は、五十七年九月二十日、東京・港区のホテルオークラで初の会合を開き、審査会の進め方などを協議した。審査会の会長、会長代理、委員はつぎのとおりであった。
会長=中西寅(連合会会長)、会長代理=八木哲夫(年金福祉事業団理事長)、委員=細野正(労働省顧問)、北郷勲夫(社会保険庁総務課長)、石田努(労働省労働保険徴収課長)、柏木高美(東京都社会保険労務士会会長)、柴田弘(大阪府社会保険労務士会会長)十月二十八日の運営企画委員会では「社会保険労務士登録証」の発行を決定した。これは移行登録の際に添付する「免許証」に代わるいわば”登録証書”に類するものが欲しいとの要望が強いため、「社会保険労務士証票」の交付のほかに、「登録証」を希望者に発行することになったものである。
昭和五十七年四月一日から施行された「社会保険労務士登録事務取扱規程」は本文二二条、附則六項から成り、目的、用語の定義、登録申請書の取扱い、登録申請書の添付書類、社会保険労務士名簿、登録申請取下げの取扱い、社会保険労務士証票の交付及び登録の通知、登録拒否予告の通知、登録拒否の通知、登録拒否に伴う手数料返還等、変更登録の申請、変更登録申請書の添付書類、変更登録申請書の取扱い、不実の告知等の報告、登録取消の通知、登録まつ消の申請等、登録まつ消の通知、登録等の公告、社会保険労務士証票の再交付、証明願の取扱い、懲戒、手数料などについて規定された。
また、前記の資格審査会については、連合会会則第五章に規定され、資格審査会は、資格審査会の会長及び委員六人をもって構成すること。資格審査会の会長は連合会の会長をもってあてること。委員は会長が主務大臣の承認を受けて、社会保険労務士、労働又は社会保険の行政事務に従事する職員及び学識経験者のうちから各同数を委嘱するものとしている。
資格審査会は、資格審査会の会長が招集し、委員の過半数の出席がなければ会議を開き議決することができない。議事は、出席委員の過半数でこれを決し、可否同数のときは、資格審査会の会長の決するところによるとし、議事録を作成し、出席した会長及び委員の全員の記名押印が必要とされた。
4登録即入会制への移行
従来は、社会保険労務士名簿への登録と、社会保険労務士会への入会は別個のものとされていたが、平成五年の改正により、社会保険労務士名簿に登録を受けた時に、当然社会保険労務士会の会員となる制度がとられることとなった。
これに伴ない、登録を受けようとする者は、次の区分により都道府県の区域に設立されている社会保険労務士会の会員となることとされた。
(1)開業社会保険労務士として登録をする者については、その者の事務所の所在地の属する都道府県の社会保険労務士会
(2)勤務社会保険労務士として登録をする者については、その者の勤務する事務所の所在地の属する都道府県の社会保険労務士会
(3)前記(1)、(2)以外の登録をする者については、その者の住所の住所属する都道府県の社会保険労務士会
社会保険労務士が変更登録を受けた時、変更後の社会保険労士会が変更前の社会保険労務士会と異なる場合は、変更前の社険労務士会を退会し、変更後の社会保険労務士会の会員となる。
5登銀即入会制に伴う経過措置
平成五年改正法の施行の際、すでに登録を受けている会員でない社会保険労務士は、改正法附則の経過措置で、新法の社会保険労務士とみなされることとなったが、その期間は施行日から三年間で、三年以内に入会の手続を行なわなかった場合は、その翌日において登録のまつ消申請があったものとみなして登録がまつ消されることとなった。
未入会社会保険労務士二五、四六七人に対し、平成五年から三回にわたり入会勧奨を行なった。
その結果、平成九年三月三十一日までに入会した者は五、○八九人となり、二○、三七八人に対し、平成九年四月一日付で登録まつ消通知を送付するとともに官報公告を行った。
経過措置期間満了日の平成九年三月三十一日現在における会員数は二四、三五四人で、内開業は一三、六四八人、勤務等は一○、七○六人となった。
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