相談に乗るのも社労士の仕事である・・・
いや、いろんな相談ごとに関わっているが、たまたま人事労務関係の分野に多少詳しいだけだ、というのが社労士だ・・・
そんな中で、ある事件から「様相」というか「位相」というか「次元」というか「潮目」というか、ともかく「局面」が変わることがある、ということを学んだ・・・
それをして「ステージが代わった」と表現したのかもしれない・・・
な~んて分かりにくい表現になってしまうが、社労士も状況判断が必要だ、なんていう話である・・・
そんなことを実感したのが、労働局のあっせんであった・・・
我が事務所の隣では、弟が行政書士をしている。
そこの許認可申請の客だったのだが、あるとき労働局から「あっせん開始通知書」が届いたという話が持ち込まれた・・・
すでにあっせん期日が決まっているという・・・
どうも、当日一人では心細いので、臨席してほしいようだ・・・
話を聞くと、数か月前に雇用した女性事務員であるが、具合が悪いので辞めてもらったところ思いもよらぬあっせんの開始となったという・・・
どんな具合が悪いのですか、と聞くと
「仕事が遅い、協調性がない、たまに遅刻する、会社の車を電信柱にぶつけた、何より住所をうそをついていた。」と・・・
「住所をうそついていた?」
「会社に届けている住所と住んでいる住所が違っていたんだ、離婚した夫に知られたくない、と言っていたが交通費の水増しに違いない。」
そして、このあっせんがうまく行けば今後も社会保険などの仕事を頼みたい、と言って帰って行った・・・
思わず皮算用などをした・・・「ミ~さん、顧問料はいくらぐらいにしようかねえ!(^^)!」
そんな話を聞いてあっせん期日を迎えた・・・
ところが、あっせん委員である弁護士から幾つか質問が出てきて、思いもよらない展開となった・・・
申請人は、元夫からDVの被害を受けていたため、住所を知られたくなく会社には実家の住所を伝えていたこと・・・
社長からは「そんなことやから前のダンナに殴られるんだ。」「もっとかわいげのある応対をしろよ。エエ男見つけられんぞ。」とかその他傷つくことをたくさん言われたこと・・・
あっせん委員は、社長に聞いた。「これを認めますか。」
最初はとぼけていたがそのうち「いったかもしれんなぁ。」と認め始め、最後は
「いやあ、本人に叱咤激励しようと思って言ったことだ、このくらいのことで落ち込んだら世の中渡っていけない、ということを言いたかっただけだ。」
・・・むむ、ここで「様相」というか「位相」というか「次元」というか「潮目」というか、ともかく「局面」が変わった・・・
あっせん委員は、申請人のところに行き何を要求したいのかを聞いてきた・・・
「先方は、金が欲しいからあっせんをしたのではないと言っていますが、具体的な要求はどうか、と聞いたところ100万円という金額の提示となりました。」
あっせん委員は、「社労士さん、10分間時間を与えますのであっせん案を受け入れるかどうか話し合った下さい。」と言い残し退席した・・・
「社長・・・・・・」
「・・・・・・・・」
「・・・・・・・・」
「・・・・・・・・」
さあて、皆さんならどのような話をしますかねえ・・・
結果として60万円でその場で和解して和解契約書を締結した・・・
要求の半分の50万円と残業代の見込みとして10万円の合計である・・・
そして・・・顧問先とはならなかったのであります・・・・
もっとも、報酬として1割の6万円をいただいたが・・・
ミ~さん「センセイ!もっと顧問先を開拓して来てください。」
モッちゃん「そうですよ。好き嫌いは言ってられないんですからね。」
Nyaoちゃん「顧問先が増えなかったお祝いに美味しい店にいきたいな。」
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1 件のコメント:
ご無沙汰しております。
ようやく特定社労士試験が終わりましたが、本当に現実は・・・
代理人ではなくても大変ですね・・・(^^ゞ
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